週刊 毎日グラフ 3月26日号(1967年)

毎日新聞社が発行した「週刊毎日グラフ」3月26日号について


 時は、1967年。完成当時は世界一高い建設物であった東京タワーを超える超高層ビルの建設を筆頭に、都心の都市開発が目紛るしい高度成長期時代。

4月15日に執行された東京都知事選挙の各党候補者3人(公明党推薦の阿部憲一氏、自民党・民社党推薦の松下正寿氏、社会党・共産党推薦の美濃部亮吉氏)の特集が誌面のトップを占める3月26日号の表紙を飾ったのが、西條様と同じ東宝俳優の那須ますみ氏である。

表紙は、目紛るしく進化する様子から「青年期」と表現された日本の都会、銀座・数寄屋橋に在るマツダ・ビルを背景にソニー・ビルのパブ「カーディナル」店内で撮影された。

1966年4月29日にオープンしたソニー・ビルに合わせて、日本初のロンドンパブとして開店した「カーディナル」、そしてマツダ・ビルは、1966年11月25日に全面改装を遂げて新装開店してから日の浅い光景としても稀有な一枚だろう。

と、言うのも現在は、ソニー・ビル、マツダ・ビル共に解体されており、撮影場所である「カーディナル」も姿を消して幻となってしまったからだ。

 

当時、西條様は27歳。御出演作の『殺人狂時代』、『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』が封切りされた年だった。

 

 

週刊 毎日グラフ 3月26日号

 

●目次

闘志を秘めて

mgプラザ ママはただ今デッサン中 日曜画家

現代の造形美 キップをうむロボット

今週売り出し

都会は伸びる

ゴジップ・オブ・ゴシップ

イヤホン

県の木風土記 大分県 ブンゴウメ

強いつよい男の一生「あかさたな」

太平洋は私の職場 船のスチュワーデス

モードの魅惑

フラッシュ'67

さ・え・ら

随筆 蛙の夢

 

(C)毎日新聞 1967

 

現在の銀座・数寄屋橋交差点から望む旧ソニー・ビル(銀座ソニーパーク)、旧マツダ・ビル(東急プラザ銀座)。向かって左側が旧ソニー・ビル、右側がマツダ・ビルである。

2017年3月末に営業終了した旧ソニー・ビルは、翌年8月9日、跡地に「銀座ソニーパーク」を開園。

2020年秋までの期間限定運営で、閉園後は「新ソニー・ビル」を2022年に竣工する予定。

1934年に東京電気(東芝の前身)が本社用地として竣工した旧マツダ・ビルは、増築を繰り返し、2007年に東急へ売却。2012年から解体工事に着手し、現在の「東急プラザ銀座」は、大型商業施設として2016年3月末に開店した。

 

 

 

【左】旧ソニー・ビル(銀座ソニーパーク)。【右】旧マツダ・ビル(東急プラザ銀座)。

※ 2020年3月25日撮影