アトラスに関して

西條様が経営されていた御店と、愛犬について


 東宝からフリーになった後、既に御結婚をなされており、御子息様がいらした西條様は俳優業に対する先々の将来を懸念なされ、自ら店の開業を決意なされます。

そして神宮前(渋谷区)にある宝石の問屋さんの社長だった成城大学の先輩に相談した後、スナック「アトラス」をオープン。

店員は全て男性のウエイターを雇い、ギターの弾き語り等の生演奏を取り入れ、当時流行っていたというサパークラブの様な御店だったそうです。

御店の名前は西條様の愛犬であるボクサーの「アトラス」から肖って、名付けられています。

”犬がいなった生活の方が短い”程に、犬への愛情が強い西條様は俳優、起業者に加えて、犬のブリーダーとして従事なされていました。

西條様の愛犬「アトラス」は、ギリシャ神話に登場する神の名を肖って名付けられました。

 

大繁盛の「アトラス」をオープンしてから約4年程して、同じく渋谷に同類店の「エスカール」をオープン。

一時的に、水商売を二店舗、同時に経営なされていましたが、まもなくして「アトラス」を閉めて「エスカール」の傍ら、「メリーゴーランド」と云う宣伝会社の事業に移られます。

 

ちなみに「エスカール」は、寄港、即ち"船着き場"の意味が込められており、後に、飯田橋で営業なされていた珈琲専門店「エスカール」と同名です。

 

西條様の愛犬、アトラス。

ボクサー犬は子犬の時点で、外見上の理由から耳と尻尾をカットするそうで、品種によっては、断耳、断尾した状態がスタンダードとのこと。(ビックリ)

 アトラスの名に相応しい、逞しく格好良いボクサーです。

御主人様に似て、可愛らしさをも兼ね備えておられる。

 

 

資料提供:西條康彦 様